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白鵬翔 06年NEWS21

 サンスポ 7月
<抜粋> イメージトレーニング完璧!白鵬“我慢の心”で綱とりだ
綱とりのイメージを確認した。白鵬は部屋のけいこ場に現れると、土俵の外で、しこ、すり足をして集中力を高めた後、龍皇と20番のけいこをこなした。本番を想定して塩まきから行う用意周到ぶり。左前まわしを取る得意の形を何度も見せて、18勝2敗と圧倒。先場所もこのパターンで有利な体勢を築き、14勝1敗で優勝している。必殺フルコースの確認作業を終えて、いざ本番へ。「いい緊張感。興奮してきた。ここ何場所かみたいな相撲が取れればいいと思う」。双葉山と照国以来64年ぶりの大関2場所通過、北の湖と大鵬に次ぐ史上3位の若年綱とりへ、白鵬の心技体は高まりを迎えている。九州からは心強い応援が届いた。長崎県「こども政策局こども未来課」の南部正照・総括課長補佐が、同県が平成13年から進めている「ココロねっこ運動」に共鳴した白鵬に感謝状を手渡した。長崎出身の廣田勝男・モンゴル名誉総領事が取り持つ縁で、5月28日に白鵬が長崎市の児童自立支援施設「開成学園」を慰問。様々な事情から施設で生活している子供たちに「我慢が大事」と訴えた。モンゴルから単身で日本に渡り、体一つでここまできた白鵬の言葉には、説得力がある。勇気をもらった開成学園は、九州少年野球大会で優勝。今度は白鵬が、綱とりで応える番だ。北の湖理事長はこの日、白鵬の綱とりの当確ラインについて「まずは優勝が前提となるだろう。将来性もあるから12勝なら厳しい目で見られる。13勝がめどとなるでしょう」との見通しを語った。13勝以上の優勝で、第69代横綱の座を手中にできる。部屋付きの熊ケ谷親方(元幕内竹葉山)は「心配なのはポカだけ。先場所と同じくらいはいくと思う」と自信を持って送り出す。「我慢の心」で15日間土俵を務めれば、結果はついてくる。(渡部陽之助)  



 スポニチ 7月
<抜粋> 白鵬 横綱昇進には最低13勝
大相撲名古屋場所は9日に愛知県体育館で初日を迎える。横綱昇進の懸かる大関・白鵬(21=宮城野部屋)は8日、名古屋市緑区の部屋で最終調整を行った。30度を超える中で新十両の龍皇と20番。稽古を終えると「ちょっと興奮してきた。いい緊張感になってきた」と気持ちよさそうにスポーツドリンクを飲み干した。ファンとの写真撮影にも最後まで応じるなど、気負いは見られなかった。この日の土俵祭に出席した北の湖理事長(元横綱)は綱獲りラインについて言及。「将来性もあるから12勝の優勝では厳しい目で見られる。13勝であれば高い評価は得られる」。13勝ならV逸でも可能性は残りそうだが、平成以降の昇進はすべて連続優勝によるもの。綱獲りを果たそうとするなら、連続優勝の勢いと実力が必要になる。白鵬を指導する熊ケ谷親方(元幕内・竹葉山)は「油断して負けるようなポカがなければ、まず間違いなく優勝できる」と期待十分。白鵬自身は「いい稽古はできた。でも、今場所はいい稽古だけで勝つことは難しい。プレッシャーの中で大変だと思う」と厳しい15日間を覚悟していた。   



 デイリースポーツ 7月
<抜粋> 綱とりへ充実の20番
綱とりに挑む大関白鵬が8日、名古屋市緑区の宮城野部屋で、本場所へ向けて最後の調整を行った。また、会場の愛知県体育館では、土俵の安泰を祈願する土俵祭が行われ、出席した北の湖理事長(元横綱北の湖)が名古屋場所の展望を語った。照りつける日差しの下、白鵬が場所前のけいこを満足感たっぷりに締めくくった。新十両龍皇を相手に三番げいこを20番。胸に砂がべったりとつくほど熱のこもった内容で汗を流し「いい緊張感があるよ。興奮してきた」と、明るい表情で意欲を燃やした。7日は完全休養日に充てて疲れを取った。その間に部屋の土俵の補修が完了。土不足で使えない状態が続いていたが、本場所用の土を借りて、大関のけいこに耐えられる土俵に造り直された。体調も環境も、初日を迎える準備が整った。この日は長崎県から、健全な少年の育成を目指す県民運動「ココロねっこ運動」のPRを行ったことに対して感謝状が贈られた。土俵外の活動も認められ、新横綱への期待は高まるばかりだ。初日の相手は新小結の朝赤龍だが「頑張るだけです」と平常心。同郷の先輩を退けて綱への第一歩を刻む。  



 スポーツ報知 7月
<抜粋> 綱取りへ「最低13勝」…名古屋場所9日開幕
汗が滴り落ちるたびに自信が深まる。30度を超える暑さの中で、白鵬は十両・龍皇と19番のけいこをこなした。低く、鋭く踏み込み、左で前まわしを取る不動の型を何度も繰り返した。「緊張感というよりも興奮して来たね」。やるべきことはやった。夏場所での初優勝後、テレビ出演などもしたが、相撲以外の仕事はなるべく控えてきた。CM出演依頼もあったが、封印。綱取りを実現してからでも遅くはないと判断した。充実したけいこを見届けた熊ケ谷親方(元幕内・竹葉山)は「相手を甘く見なければ先場所と同じようにいくと思う」と快挙達成を予感している。北の湖理事長は「先場所(14勝1敗)に匹敵する成績なら話題は出る。12勝では厳しく見られる。13勝はして欲しい」と期待。名古屋場所後の横綱誕生なら、90年に昇進した同じ立浪一門の旭富士(現安治川親方)以来16年ぶりとなる。  



 日刊スポーツ 7月初日
<抜粋> 白鵬、雅山ともに敗れる/名古屋場所
綱とりの大関白鵬(21=宮城野)と大関復帰を目指す関脇雅山(28=武蔵川)が、ともに敗れる波乱のスタートになった。新小結の朝赤龍と対戦した白鵬は立ち合いで左でまわしが取れず、ペースを握れない。それでも前に出ていったところをいなされて後ろ向きになり、送り倒された。雅山も得意の突き押しが出ず、露鵬に押し倒された。夏場所の途中休場から復活を期す横綱朝青龍(25=高砂)は、新小結の稀勢の里を問題にしなかった。他の大関陣は千代大海、魁皇、栃東は無難に勝ったが、琴欧州は白露山の立ち合い変化に苦杯を喫した。  



 日刊スポーツ 7月初日
<抜粋> 白鵬「硬くなったんじゃ…」/名古屋場所
綱とりを狙う大関白鵬(21)が、いきなりつまずいた。新小結朝赤龍相手に立ち合いで得意の左前みつが取れず、タイミングよくいなされて送り倒された。「(綱とりという)意識はなかったけど、ああいう負け方だから。硬くなったんじゃないですか」と緊張を敗因に挙げた。双葉山、照国に続く64年ぶりの大関2場所通過へ、まさかの黒星発進。「今日の負けで肩の力が取れて、明日から自分の相撲に集中する」と気持ちを切り替えていた。2日目は旭天鵬と対戦する。  



 毎日新聞 7月初日
<抜粋> 
大相撲名古屋場所初日の9日、綱取りを目指す白鵬と大関取りを狙う雅山が、ともに黒星発進。白鵬は朝赤龍のいなしに反応できず、雅山は露鵬の攻めに腰から落ちた。休場明けの朝青龍とカド番の栃東は危なげない相撲。琴欧州が白露山の変化に屈し、先場所に続いて初日に敗れた。
◇黒星を教訓に思い切りの良さを取り戻せるか…白鵬
綱取りの場所を迎える朝。白鵬は笑顔でサインや写真撮影に応じた。しかし土俵の雰囲気はまったく違っていた。新小結の朝赤龍を相手に左足で踏み込み、左前みつを取る必勝の型で攻めようとした。だが左前みつが取れず、ちゅうちょした。お互いに見合う格好になり、「変な距離が出来てしまった」と動きが止まった。一方、朝赤龍は「(白鵬との対戦では)いつもこうなる。焦って出てはだめだ」と冷静だった。「頭が下がった」と見た瞬間、左にいなした。白鵬は背中を向けて土俵に両手をついた。自分の相撲が取れずに、完敗。九重審判長(元横綱・千代の富士)は「もっと体ごとぶつけることが出来たら、違っていたのに」と白鵬の消極さをたしなめた。早くも1敗。25年前の名古屋場所、横綱昇進をかけた九重審判長も同じ状況だった。だが2日目から14連勝して優勝した。その時の経験から「早いうちに自分の相撲を取り戻すことだ」と言う。良いお手本をモンゴルの先輩・朝青龍が示した。休場明けの逆境でも攻めの姿勢を崩さず、新小結・稀勢の里を圧倒した。「切り替え? 大丈夫だと思います」と白鵬。この黒星を教訓に本来の思い切りの良さを取り戻せるか。【村社拓信】  



 スポーツ報知 7月初日
<抜粋> 白鵬、綱取りへまさかバッタリ黒星発進
満員御礼の観衆の多くが目を疑った。綱取り大関の白鵬が、そろった両足を大きく開いて、バッタリと土俵に落ちている。暑さボケではなかった。名古屋場所の目玉が、同郷モンゴル出身の朝赤龍に完敗した。支度部屋では小声で「(綱取りの)意識はなかったけど、ああいう負け方は久しぶりだな」。受け入れがたい事実を認めた。狙った左まわしに手が届かない。右は差しかけたが、捕まえきれない。体で覚えたはずの低い立ち合いが、この日ばかりはやや高かった。見ながら間合いを取り、突いて勝機を探ったが、右からのいなしで体が泳ぐと、もろくも崩れた。「失敗だな。途中で攻めが止まって見てる部分があった。そこが悪かったですかね」と敗因を探った。前夜は夕食後にスーパー銭湯でリラックス。午前0時前にぐっすり眠りについた。朝げいこで汗を流した後は、詰めかけたファンが求めるサインに丁寧に応じた。泰然自若と映ったが、無意識のうちに歯車は狂っていた。白鵬と同じ21歳で横綱に昇進した北の湖理事長は、大物に残る“青さ”を見て取った。「負けられない気持ちがあるから逆に体が動かないんだ。慌てすぎで、相手に合わせすぎ。バタバタして足がついて来ていなかった」現行の1場所15日制では、綱取り場所で初日黒星発進しても、千代の富士(現九重親方)ら6人が昇進に成功している。「今日は今日で負け。明日から肩の力を抜いて、けいこ場みたいに自分の相撲が取れればいいと思う」。悪い部分を出し切ったと思えば、もう硬くなることはないはずだ。  



 スポニチ 7月初日
<抜粋> 白鵬、痛恨黒星 初日の重圧に負けた
大相撲名古屋場所初日(9日・愛知県体育館)、横綱昇進を目指す大関・白鵬(21=宮城野部屋)が、新小結の朝赤龍に送り倒されいきなりつまずいた。 【初日勝敗】 初めて味わう重圧が知らず知らずのうちに体を固く縛った。これが綱獲り。その初日のプレッシャーだった。「硬くなっている意識はなかったけど、ああいう負け方をしたってことは緊張してたんじゃないか。硬くなっているね」。白鵬は素直に認めた。流れの中で互いに見合って動きが止まった。急いで距離をつめようとしたが、朝赤龍の素早い動きに足がついていかない。タイミングよくいなされると、後ろをとられて送り倒され、土俵にペタリと両手をついた。「ああいう負け方は久しぶりだな」と悔しさをかみしめた。この日の朝は普段と変わらぬリラックスした雰囲気で、稽古後にはファンへのサインと写真撮影にも気軽に応じていた。ところが、土俵の上では普段の姿でいられなかった。大関獲りの雅山に続いて白鵬までもが敗れ、館内は何とも言えないため息と落胆ムードに包まれた。これまで黒星発進から横綱に昇進したのは千代の富士ら6人。いずれも2日目から連勝し、序盤を4勝1敗で切り抜けている。2日目は旭天鵬戦。大事な場所で連敗は許されない。「きょう負けて肩の力が取れた。あしたから稽古場のように自分の相撲を取りたい。集中して頑張りたいと思います」。気持ちを切り替えることが何より大事。そのことが分かっているから自分から言葉を発した。場所前にはこんなことも言っていた。「プレッシャーの中で大変だと思う。慣れないこともたくさん出てくると思う」。白鵬にとって、ある程度の困難は覚悟していたこと。だから顔を上げて前へ進む。   



 日刊スポーツ 7月初日
<抜粋> 綱とり白鵬まさかの黒星発進
綱とりが懸かる大関白鵬(21=宮城野)が、まさかの黒星発進となった。緊張で動きが硬く、新小結の朝赤龍(24)に送り倒された。2日目からの巻き返しに向け、気持ちの切り替えが鍵になる。大関返り咲きを目指す関脇雅山(28)も平幕の露鵬(26)に完敗し、今場所の主役2人は苦しいスタートになった。休場明けの横綱朝青龍(25)は新小結稀勢の里(20)の挑戦をあっさりと退けた。これが綱とりの重圧なのか。白鵬のこわばった右ほおに汗が伝ったのは、朝赤龍との立ち合い前だった。腰高で踏み込みは浅く、得意の左前みつが取れない。相手と間合いができると、迷いで動きが止まった。「見てしまった」。いなされて大きく泳ぐ。後ろ向きにされ、あっけなく土俵にはいつくばった。「自分では意識はなかったけど、ああいう負け方だから。硬くなってたんじゃないですかね」。怖いもの知らずの21歳も、緊張という魔物に打ち勝つことはできなかった。かすかな予兆はあった。けいこを打ち上げた前日8日に「不安もあるよ。(綱とりは)初めてだから、慣れない部分が出てくると思う」と漏らしていた。元付け人でけいこ相手を務める新十両龍皇も、微妙な変化に気付いていた。「昨日(8日)のけいこから、突っ張りが多くなったり急に激しくなった。僕が何か悪いことしたのかと思ったくらい」。自分でも気付かぬうちに、重圧にのみ込まれていた。双葉山と照国に続く64年ぶりの大関2場所通過へ、この1敗は痛い。それでも過去には千代の富士(現九重親方)が初日に敗れながら2日目から14連勝で巻き返し、綱とりに成功している。土俵下で見届けた九重審判長は「そりゃ苦しいよ。でも、まずは明日勝つことだ。重圧はあるだろうが、自分の相撲を取らないと」。北の湖理事長(元横綱)も「大事なのは連敗しないこと。明日勝てば全然変わってくる」と話した。当の白鵬にも負けを引きずる様子はない。支度部屋では声を荒らげることもなく、いつも通り冷静に取組を振り返った。帰り際にはサインを求めてきた男の子に対し、快く筆を走らせた。「今日負けて肩の力が取れて、明日から自分の相撲に集中する」。早くも迎えた正念場で、自分に言い聞かせていた。【太田尚樹】  



 Zakzak 7月初日
<抜粋> 白鵬いきなり“黒鵬”マワシ新調のハズが色違いで…
まさかの取りこぼしだ。6場所制下では最短の大関2場所通過に虎視眈々だった白鵬にいきなり土がついた。相手は同じモンゴル出身の朝赤龍。立ち合い、得意の左上手を取れず、やむなく突っ張るところをタイミングよくはたかれ、後ろ向きになったところを送り倒された。「途中で、攻めが止まって、(相手の動きを)見てしまった。距離の取り方も悪かったし。それにしても、こんな(ぶざまな)負け方、久しぶりだな」場所前、モンゴルにも凱旋(がいせん)せず、稽古に励んできただけに、白鵬は支度部屋に戻ってもクビを何度もひねり、呆然としていた。そういえば、初日前にこんな不吉な出来事も。フレッシュな気持ちで綱取りに挑むため、白鵬は今場所、マワシをいままでの青色からナス紺色に新調するつもりだった。ところが、出来上がってきたマワシを見た白鵬はがく然とした。なんと注文した色とはまったく違う紫色だったのだ。「この色は自分に似合わないし、気持ちも盛り上がらない」と表情を曇らせる白鵬をみて、育ての親の熊ケ谷親方(元前頭竹葉山)が「気に食わないのなら、止めとけ。気の乗らないマワシを締めてケガでもしたら、たいへんだ。よし、オレが掛け合って作り直すように言ってやる」と助け舟を出し、新調のマワシは来場所までお預けに。このハプニングで白鵬が出ばなをくじかれたのは確か。帰り際、白鵬は自分に言い聞かすようにこう言った。「この負けで肩の力が抜け、明日から稽古場のような相撲は取れるようにがんばりたい」小さな大横綱、と言われた千代の富士も黒星スタートで横綱になっている。まだ取り返しは十分できる。  



 サンスポ 7月初日
<抜粋> 白鵬、初日にいきなり土…綱とりへ手痛いスタート
これが綱とりのプレッシャーなのか。白鵬は立ち合いで左前まわしが取れず、押し合いに。朝赤龍の出方をうかがったが、右からのいなしに大きく泳ぐと、そのまま送り倒された。「ああいう負け方は久しぶり。硬くなっていたんだろうね。立ち合いは悪くなかったけど、途中で攻めが止まってしまった」。負け残りで土俵下の控えに座った白鵬の顔からは血の気が引いていた。先場所のような落ち着きは消えうせていた。万全の状態で場所を迎えたはずだった。三保ケ関部屋へ出げいこした際には把瑠都を圧倒、朝青龍とけいこするために初めて自分から横綱を追いかけて鳴戸部屋にも出向き、密度の濃いけいこをこなしてきた。「綱とり、綱とり、って考えない方がいい。ここ何場所かみたいな相撲が取れればいいと思う」と平常心を強調して場所に臨んだが、現実は厳しかった。北の湖理事長は、白鵬の綱とりの当確ラインを「13勝以上での優勝」と設定している。初日の黒星で、あと1敗しかできなくなった。隆の里(現鳴戸親方)から朝青龍までの10人の横綱で、初日に負けた場所で横綱昇進を果たした例はない。数字上は極めて厳しい立場に追い込まれた。土俵下で審判長を務めた九重親方(元横綱千代の富士)は「待っていてはだめだ。自分から綱を取りにいかないと」とハッパをかけた。隆の里の1代前の横綱千代の富士は、昭和56年名古屋場所で初日に敗れながら2日目から14連勝して横綱昇進を決めている。ウルフのような攻める心でプレッシャーをはね除ければ、まだ可能性はある。「この負けで肩の力が抜けた。自分の相撲に集中したい」。白鵬は気持ちを切り替えて支度部屋を後にした。双葉山、照国に次ぐ史上3人目の「大関2場所通過での綱とり」という快挙の夢を、あと14日間、追い求める。(江坂勇始)  



 スポーツナビ 7月初日
<抜粋> 不覚1敗…白鵬&雅山が共倒れ
大相撲名古屋場所初日(9日・愛知県体育館)、大関白鵬が新小結朝赤龍に送り倒され、大事な綱とり場所は黒星スタートとなった。2001年秋場所以来の大関返り咲きを目指す関脇雅山も露鵬に押し倒された。休場明けの横綱朝青龍は20歳の新小結稀勢の里を豪快に押し出し、同じく休場明けで7度目かど番の大関栃東も、旭天鵬を寄り切って白星発進した。不覚を取った。白鵬は立ち合いまわしが取れず、いったん動きを止めて相手を見たが、直後に不用意な突きをいなされた。体が後ろ向きになったところを背後から押され、なすすべなくうつ伏せに倒れ込んだ。綱を狙う以上はどんな苦境も克服しなければならない。だが、故郷の先輩朝赤龍は自分の手の内を熟知している。大事な初日という極度の緊張感の中では、決してくみしやすい相手ではなかった。「途中で止まったのが悪かった。相手の(いなしの)タイミングがよかった。ああいう負け方は久しぶり」。紅潮したほおに悔しさをにじませた。初優勝した先場所後は多忙で十分なけいこができなかったが、名古屋入りしてから急ピッチで仕上げた。将来のライバルと意識する把瑠都と出げいこで胸を合わせ、横綱朝青龍の胸を借りた。調子自体は悪くはなく、北の湖理事長(元横綱北の湖)も「昇進場所は気を使うもの。気持ちを切り替えていけばいい」と、期待を寄せた。下位への1敗は重い。だが、綱とり場所初日黒星から横綱に昇進した大関は過去6人もいる。しかも栃錦、柏戸、千代の富士らそうそうたる顔ぶれ。「それ(データは)はそれ。これで肩の力が抜ければ、明日からはけいこ場のように自分の相撲が取れる」。初日なめさせられた砂の苦さを、白鵬が巻き返しの力に変える。  



 毎日新聞 7月2日目
<抜粋> 
○…白鵬が初日を出した。左足で踏み込み、左で前みつを狙う得意の型に。まわしをがっちり引けなかったが、旭天鵬の体勢が崩れたのに乗じて突き落とした。「踏み込みは良かった。気楽に集中していけた」と話したが、前日の敗戦が尾を引いてか、支度部屋では心なしかうつむき加減。「まわしに手がかかったが、つかめていない。もっと前に攻めたい」と話し、思うようにならない取り口に最後まで笑顔はなかった。  



 日刊スポーツ 7月2日目
<抜粋> 白鵬「気楽に集中できた」
綱とりを狙う白鵬(21)が初日を出した。立ち合いで旭天鵬(31)の左前まわしを引き、相手が前のめりになったのを見逃さずに突き落とした。「今日は気楽に集中していけた。できれば前に攻めたかったんだけど」。不満も口をついたが、初白星に安どの表情が浮かんだ。「これで乗っていきたい」と巻き返しを誓っていた。3日目は白露山(24)と対戦する。  



 読売 7月2日目
<抜粋> 綱取りに挑む白鵬、1勝あげたが迫力不足
大相撲名古屋場所2日目(10日・愛知県体育館)――連敗発進などしようものなら、綱取りは早くも絶望的になっていた。ミスの許されない重圧の中、白鵬はひとまず、突き落としで1勝目。ただし、勢いがつく白星とは、言い切れない内容だろう。旭天鵬は右でも左でも、上手を引けば力が出る力士だが、白鵬からすれば取りやすい。そんな相手なのに、踏み込みに力感がない。得意の左前まわしにも一度は手がかかったが、引きつけるどころか離してしまった。「これから乗っていきたい」という大関だが、物足りなさは否めないところだ。北の湖理事長は「ただ、まわしを取りにいっている相撲。立ち合い、もっと体をぶつけていくような迫力が欲しい」という。この注文は、白鵬にとってそれほど難しいことではない。ここ3場所で見せたスケールの大きい取り口をそのまま出せばいい。連勝発進の朝青龍は「まだ始まったばかり。ホッとする暇もないんだ」。百戦錬磨の横綱でさえ、序盤戦はそれだけの気構えが必要と説く。背中を追いかける立場にいるのが白鵬。綱取りの重圧を克服できるかどうか――。序盤は白鵬の度量が試される。(込山駿)  



 サンスポ 7月2日目
<抜粋> 
白鵬「集中してできた」
初日に黒星を喫した白鵬は旭天鵬を左からの突き落としで難なく退け、綱とりに向けて一歩を踏み出した。支度部屋ではさすがにほっとした表情。「集中してできた。できれば前に攻めたかったけれど。雰囲気には慣れてきた」と笑みを浮かべた。北の湖理事長(元横綱北の湖)は「腰を引いていたし、足が出ないと駄目。勢いがない」と手厳しいが、大関自身は白星という結果がうれしいようだ。「この白星をつなげていきたい。ちゃんとけいこはしたんだから」と、うなずいていた。  



 中日新聞 7月2日目
<抜粋> 白鵬、不満残る白星
必勝の左前みつ機能せず
右腕を折り畳むようにして相手の左差しを防ぎ、左で前まわしを狙った立ち合い。白鵬の目指す必勝型だが、この日もそれが万全に機能しなかった。左前みつは指に引っかかっただけ。それでも低く当たったのが旭天鵬に圧力をかけていた。白鵬が左を取り直そうとしたとき、旭天鵬の左足が大きく流れて崩れ落ち、あっけない勝負となった。結果として、初日の手痛い負けを引きずらなかったが、白鵬は「自分の相撲がとれていない。前に攻めていければよかったのに」と反省の弁が先に出た。「だいぶ雰囲気に慣れてきたけど…」。連続優勝で綱とりの重圧感は、やはり想像以上のものがあるようだ。入門時から指導してきた熊ケ谷親方(元前頭竹葉山)は、朝のけいこで「慌てないで低く下から出れば、かなう相手はいない」と励まし、場所入りするとき「きょうは、うまい酒を飲ませてくれよ」と送り出したという。白鵬の気持ちを和ませる心遣いでもあった。綱とりは、いかに自分の相撲をとるかにかかっている。白鵬には毎日が正念場。「きのうより落ち着いていけたので、これがいい結果になれば。けいこ場でやってきたことを出していきたい」2日目の白星が軌道修正のきっかけにつながるか。(堀内種正)  



 サンスポ 7月2日目
<抜粋> 白鵬が初日!攻めて不安一掃、さあ綱とり再スタート
気持ちの強さが試される。綱とり場所で初日黒星。いっきに立ちこめる不安と危機感。白鵬がその手で、すぐさまぬぐいさった。低く立って得意の右四つに組み止めた。下から左上手を引いたが、このまわしを放して、足が流れた相手を左から突き落とした。「集中していた。できればもっと攻めたかった。だいぶ雰囲気になれてきた」。支度部屋に戻った白鵬は大きな息を吐き、笑顔も浮かべた。初日は同じモンゴル出身の新小結朝赤龍に送り倒され、不覚を取った。名古屋市緑区の宮城野部屋の宿舎へ戻り、テレビニュースで自らの相撲を確認。当然、納得のいく内容ではなく、気持ちが沈んだ。だが、頭の切り替えもはやかった。同じ部屋の新十両龍皇から携帯型ゲーム機のニンテンドーDSを借り、「ニュー・スーパーマリオブラザーズ」のソフトに熱中した。同郷の龍皇と得点を競い合っているうちに、3時間が経過していた。史上3番目の年少横綱昇進を目指す白鵬だが、まだ21歳4カ月。若者らしい気分転換で、黒星発進のプレッシャーを打ち消した。綱とり場所の初日に敗れ、横綱へ昇進した力士は過去に6人いるが、2日目は全員が勝ち星を挙げている。双葉山、照国に続く史上3人目の大関2場所通過を狙う白鵬も、まだまだチャンスは残されているのだ。「ちゃんとけいこをしてきた。このまま白星を重ねて、いい結果になればいい」。勝利の感覚を思いだし、綱とりの一歩を踏み出した。(江坂勇始)
◆旭天鵬
「(白鵬は)前日に負けてるから、悩んでいるかなと勝手に思ったけど、関係なかったな」  



 中日スポーツ 7月2日目
<抜粋> 白鵬、笑顔なき初星
綱とりを狙う大関白鵬(21)=宮城野部屋=は旭天鵬を突き落とし、初日を出した。横綱朝青龍(25)=高砂部屋=は露鵬を上手出し投げで下し、2連勝。大関復帰を懸ける関脇雅山も旭鷲山を押し出し、連敗を免れた。横綱、大関陣はそろって白星で、白鵬以外の大関陣は千代大海が小結稀勢の里を引き落とし2連勝、魁皇、栃東もそれぞれ小結朝赤龍、白露山を退けて2連勝とした。1日遅れの初白星を手にしたが、支度部屋に引き揚げてきた白鵬の心は後ろ向きだった。前日不覚を許した朝赤龍が魁皇に一方的に押し出された一番を見て、首をかしげてこうつぶやいた。「こういうふうに(魁皇のように)いけば良かったのに」。前を見られなかった理由は、この日の土俵内容に納得がいかなかったからだろう。旭天鵬の左前みつを取りに踏み込み、まわしが掛かった左手を持ち替えるように突き落とした。それでも「自分の相撲が取れていない」と漏らす。北の湖理事長(元横綱北の湖)も「立ち合いが良くない。ぶつかってない。右足が流れている」と指摘した。まさかの黒星でぼうぜんとした前夜、同部屋でモンゴル出身の新十両龍皇に携帯ゲーム機を一緒にやろうと誘われた。2人で楽しみ、いい気分転換になった。だが、相撲が生きる道という白鵬にとって、肝心の土俵で手応えをつかまなければ無になってしまう。「良い結果を並べて乗ってきたい」。早く自分の型で快勝したいところ。13勝が昇進ラインとされる綱とりロードの霧は晴れていない。 (中谷秀樹)  



 スポニチ 7月2日目
<抜粋> 白鵬に明るさ 仕切り直しの白星
白鵬が綱獲りへ仕切り直しの白星を手にした。左前みつを素早く引き、旭天鵬の足が流れたのを見て左から突き落とした。朝赤龍に敗れた前夜は部屋に戻ると、かめに入った焼酎をひしゃくであおり、ニンテンドーDSに興じて気分を発散。この日の朝の稽古場ではファンとも触れ合うことなく足早に引き揚げたが、「今までやってきた通りに頑張ればいいと思った。これからのっていきたい」と表情には少しだけ明るさが戻った。  



 デイリースポーツ 7月2日目
<抜粋> 白鵬ほっと1勝!黒星ショック一掃
硬い表情のまま支度部屋に引き揚げてきた白鵬は、腰を下ろすと大きく息をついた。「集中していけました。本当は前に攻めたかったですけど。雰囲気は慣れてきた」とほっとした表情。自分を見失った初日から一転、左前まわしを狙う本来の相撲に立ち返った。まわしに手をかけた後、旭天鵬の足が流れたところを見て、とっさに突き落とした。前夜は同部屋の十両龍皇と一緒に携帯ゲームで遊んで気分転換。この朝のけいこでは前まわしを狙う立ち合いを、入念にチェックした。すべては3場所連続で優勝を争ってきた強い自分を取り戻すためだった。13勝以上での優勝という横綱昇進の目安を考えると、これ以上負けられない状況は変わらない。厳しい戦いが続くが、「いい結果を出して、乗っていきたいです」とぐっと口を結んだ。重圧を両肩に感じながら、白鵬が横綱への第一歩を踏み出した。  



 日刊スポーツ 7月2日目
<抜粋> 白鵬が仕切り直しの初日
大関白鵬(21=宮城野)が綱とりへ「1日遅れ」のスタートを切った。平幕の旭天鵬(31)を1秒9で突き落として1勝1敗。会心の相撲とはいかなかったが、初日に続く連敗は免れた。大関返り咲きを目指す関脇雅山(28)も、くせ者旭鷲山(33)を退けて初白星を挙げた。休場明けの横綱朝青龍(25)はスキのない相撲で2連勝とした。勝利への最短距離を選んだ。白鵬は低く鋭い立ち合いで旭天鵬の懐に飛び込み、得意の左前みつに指をかけた。その瞬間、相手が前のめりにバランスを崩すのを見逃さなかった。とっさに離した左手で、タイミングよく突き落とし。初勝利。両ひざに手をつき、両目をグッと閉じて「フーッ」と安どのため息をついた。敗戦を引きずることはなかった。「今日は気楽に集中していけた。今までのけいこ通りに頑張りたいって気持ちだった」。黒星発進となった前夜は部屋に戻ると、先場所まで付け人だった龍皇と約3時間、1台の携帯ゲーム機を交代で遊んで歓声を上げた。ビデオなどで取組を振り返ることもなく、相撲のことをいったん忘れて頭をリセット。「これで乗っていきたい」。気持ちを切り替え、昇進へ1歩踏み出した。周囲も巻き返しを信じている。64年ぶりの大関2場所通過の快挙達成を祝うために、ビッグなプレゼントの計画がある。後援会関係者によると、今場所で横綱昇進を決めれば、市場価格5000万円以上の超高級車「マイバッハ」を贈るプランがあるという。現在はベンツで送迎されているが「未来の大横綱」にふさわしい逸品が用意されている。期待に応えるためにも、もっと調子を上げなければならない。「まだ自分の相撲が取れていない。今日は踏み込みはよかったけど、できれば前に攻めたかった」と反省も忘れない。綱を張るためには、ただ勝つだけではダメ。それは本人が一番よく分かっている。「(綱とりの)雰囲気にはだいぶ慣れてきたから」。最悪のスタートから調子を上げ、頂点への急階段を駆け上る。【太田尚樹】  



 中日スポーツ 7月2日目
<抜粋> コロッケ、相撲も舞台もやっぱりナマ
名古屋・中日劇場「コロッケ納涼特別公演」で座長を務めるコロッケ(46)が10日、共演者ら6人と大相撲名古屋場所(愛知県体育館、中日新聞社共催)2日目の取組を観戦した。升席に陣取ったコロッケは、相手の特徴を鋭く分析する“モノマネ眼”で力士らを観察。「レパートリーに入れるのはちょっと無理だなぁ」と本物の迫力にタジタジだった。この日、1回公演日を利用してコロッケは、芦川よしみ(47)、長谷川哲夫(67)、谷本知美(32)らを伴い愛知県体育館に直行。旭鷲山-雅山から結びの一番の露鵬-朝青龍までの8番に声援を送った。貴乃花親方とは普段、「『お互い頑張ろう!!』とか熱い話をしてます」と親しいコロッケだが、この日は面会かなわず。「千秋楽後に舞台を見に来てくれるかもしれないんですよ」と再会を楽しみにしていた。コロッケのひいきは綱とりを目指す大関白鵬。「スポーツにはイケる時期というかタイミングがあって、今がまさにその時。チャンスを逃してしまうと、次はなかなか来ないからね」と勝負を見守り、白鵬が旭天鵬を突き落としで下すと拍手で祝った。横綱朝青龍とはテレビ局でバッタリ顔を合わせたこともあるという。朝青龍から「いつも見てます!!」と話しかけられ、コロッケは「僕のことを知っていたのがうれしくって。それからファンになっちゃいました」と顔をほころばせて振り返り「今場所、白鵬と優勝を争ってほしいですね」と楽しみにしている。稀勢の里のにらみや、朝青龍の四股(しこ)に「すごいなぁ~」と感激していたコロッケ。「勝負するのが好きなので、取組を見るとやる気が出ます」と、公演への英気を養っていた。退場時、どっと集まってきた観客に写真撮影や握手、サインに気軽に応じ「中日劇場に出てますよ!!」とアピールしていた。中日劇場公演は28日まで。(篠田有美)  



 日刊スポーツ 7月3日目
<抜粋> 白鵬、落ち着き出て白星先行
綱とりを狙う白鵬(21)が白星を先行させた。立ち合いは白露山(24)に突っ張られたが、下がらない。かいくぐって生命線の左上手をつかむと、右下手も引いて万全の寄り切り。「けいこ通りできた。初日は悔しい負け方をしたけど、だいぶ土俵に慣れてきた感じ。落ち着きも出てきた」と言葉にも上昇の兆しをにじませていた。4日目は露鵬(26)と対戦する。  



 サンスポ 7月3日目
<抜粋> 
白鵬、立ち合いに不満
白鵬は取組後も厳しい表情のまま。「白星を積み重ねるためにも、一日一日集中していきたい」と一言一言をかみしめるように話した。白露山の突っ張りにも、下半身はどっしり地についていた。右四つで上手を引くと、頭をつけて寄り切った。「けいこ通りに体が起きなかった。だいぶ土俵に慣れてきた」と、調子は上向きのようだ。ただ、立ち合いで左前まわしを引く万全の形がまだ見られない。「立ち合いから自分の相撲が取りたいね」と、不満そうにつぶやいた。  



 サンスポ 7月3日目
<抜粋> 
白鵬が3日目でようやく白星
綱とりを目指す白鵬は右四つで上手を引くと、頭をつけて十分の体勢から、白露山を寄り切った。3日目でようやく白星が先行したが、「けいこ通りに体が起きなかった。自分の相撲を取りたい」と内容には不満顔。「土俵にはだいぶ慣れてきてる感じ。積み重ねていかないといけない」と先を見据えていた。  



 日刊スポーツ 7月4日目
<抜粋> 白鵬、自分の形で勝利
綱とりを狙う大関白鵬(21)が本来の相撲を取り戻して3勝目を挙げた。立ち合いで露鵬(26)の左上手を引き、相手の上手を切って万全の態勢から寄り切った。ようやく自分の形で勝利をつかみ「立ち合いからすぐまわしが取れた。だいぶ落ち着いてきたね」と満足感をにじませた。5日目は琴光喜(30)と対戦する。  



 毎日新聞 7月4日目
<抜粋> 
○白鵬 (3連勝)立ち合いで、すぐにまわしを取れたね。(リズムに乗ってきた?)そうね。   



 毎日新聞 7月5日目
<抜粋> 
○…綱取りを目指す白鵬が調子を上げてきた。立ち合いで得意の左上手を取れなかったが、右四つでじっくりと好機をうかがった。「立ち合いは悪かったが、落ち着いて下から攻めた」と白鵬。突っ張りで琴光喜の上体を起こすと、左上手を取って寄り立てた。初日こそ硬くなり黒星を喫したが、左上手を取る相撲が戻ってきた。得意の型で攻めたことに「それが一番でしょ」と手応えを感じていた。



 日刊スポーツ 7月5日目
<抜粋> 白鵬は序盤戦1敗で乗り切る
綱とりに挑む大関白鵬(21)が、序盤戦を4勝1敗で乗り切った。関脇琴光喜とは、立ち合い直後にお互い右下手を引いた。しかし、白鵬が嫌って突き放し、突っ張りで攻める。相手の上体が浮き上がったところを、得意の右四つでつかまえた。あとは、万全の寄り切り。「徐々に土俵に足がなじんできている」。初日の朝赤龍戦で不覚を取ったが、徐々にペースをつかんできている。6日目は、平幕の琴奨菊の挑戦を受ける。  



 スポニチ 7月5日目
<抜粋> 
≪白鵬落ち着き4連勝≫大関・白鵬が関脇・琴光喜を寄り切って4連勝。「慣れてきたというか、落ち着いて取れるようになった」と序盤戦を振り返った。これまで白鵬は不十分な体勢になると強引な投げに出て墓穴を掘ることがあった。この日も“投げの誘惑”に負けそうな一瞬があったが「前に出るのが一番」と我慢して1敗を守った。横綱昇進がかかる場所でエンジンがかかってきた。  



 サンスポ 7月5日目
<抜粋> 
白鵬、調子上向き
大関2場所通過で横綱昇進を目指す白鵬は、粘る琴光喜を最後は力で寄り切った。「立ち合いが合わなかった。下から下から攻めた。最後でまわしがとれた。投げるより、寄った方がいいと思った」。初日に黒星を喫したが、綱とりの大事な場所で2日目から4連勝。「完全ではないけど、徐々に(土俵に)慣れてきている」と調子を上げてきた。  



 Zakzak 7月5日目
<抜粋> 白鵬ツライ運命ツナではらう…親方「17年前思い出す」
思いはひとしお。先月23日、二十山親方(元大関北天佑)が45歳の若さで、腎臓がんで急逝した。白露山ら、11人の弟子たちは北の湖部屋に引き取られ、休場した1人を除く10人が名古屋場所の土俵に上がっている。白鵬の育ての親、熊ケ谷親方(元前頭竹葉山)は、懸命に闘っている彼らをみると「17年前のことを思いだして胸が熱くなる」という。やはり名古屋場所を目前にした平成元年6月19日、先々代宮城野(元小結広川)は半年間の闘病生活の末になくなった。52歳、舌がんだった。「先々代の舌がんが発見されたのはその年の初場所中。医者は手術を勧めたんだけど、先々代はしゃべれなくなるのを嫌がってね。放射線や抗がん剤治療に励んでいたんだけど、あっという間にあちこちに転移して、どうしようもなくなったんだよ」と部屋の関係者は話している。この先々代のあとを継承し、残された13人の弟子の面倒を見たのが、まだ引退して半年しかたたない31歳の熊ケ谷親方だった。「あのときの弟子の最高位は幕下。まだ自分も若かったので、マワシを閉めて土俵に下り、胸を出して稽古をつけるなど、無我夢中でがんばったけど、教え、育てることがどんなに難しいか。骨のしんまで味わわされた。まさか17年後に横綱を狙う白鵬のような弟子が出てくるとは思いもしなかったな」と熊ケ谷親方は人間の運命やめぐり会いの不思議さをしみじみと話している。その白鵬はこの日も万全だった。実力者の琴光喜を完封。最後はしっかりと腰を下ろして寄り切り、「日増しによくなっている。先場所よりも体調はいい。硬さも取れてきました」と自信をのぞかせた。熊ケ谷親方の夢にすら見たことがなかった満願成就がだんだん現実味を帯びてきた。  










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